銀行業界はオワコンなの?最近の動向から考える今後の展望

 

近年さまざまなところで銀行業界の不況を報じるニュースが相次いでいます。

 

かつては銀行業界は就活生に人気だったようですが、数年前まで就活をしていたJINにはあまり実感がなく…。

 

「銀行業界はオワコン」という声すら聞こえてくる昨今。
一体どうしてそのようにいわれるまでになってしまったのでしょうか?

 

今回は、金融ライターとして銀行業界低迷の理由や今後の展望について取り上げてみたいと思います。

 

Jin(キャッシング大全専属ライター)

 

アニメ・ソシャゲが趣味のオタク。金融だけでなく、政治やら経済やらにも関心がある模様。現在半泣きで奨学金を返している20代なのはここだけの話。

 

 

銀行業界が低迷した理由について解説

 

銀行業界低迷の理由としてよく指摘されるもの

 

「今、銀行が大変な状況になっている」
以前からそうした報道がされるようになっています。
その原因としてよく指摘されるのがマイナス金利や金融緩和という言葉。

 

これらは日銀の金融政策として導入され、市場の金利を押し下げました。
例として挙げると、住宅ローンや企業への融資の金利が低くなり、企業や個人がお金を借りやすくなったんです。

 

しかし貸し出す側の金融機関は、金利が低くなると収益が低下するので当然困りますよね。

 

政策を導入した日銀もこうなることは予期していました。

 

実際に2016年のマイナス金利導入後に日銀が公式HPに出したFAQにて、以下の文章が記載されています。

 

 

出典:5分で読めるマイナス金利 : 日本銀行 Bank of Japan

 

上記を見る限り、日銀はマイナス金利によって金融機関の収益が少なくなることを予期していたにも関わらず、「儲けがあるから大丈夫だろう」と高をくくっていたように思います。

 

結果どうなったのか?というのは最近のメディアが報じている通り。

 

 

「去年(この時点では2015年)もたくさん収益を挙げています。」という記述がむなしく響きますね…。

 

そもそも先ほど紹介したとおり、銀行はマイナス金利導入以前からすでに量的・質的金融緩和で収益が悪化していました。

 

日銀がそうまでして金融政策を進めたのも、市場に出回るお金を増やし経済を活性化させるため。

 

ただJinが疑問なのは、結果として貸出は増えたの?という点。

 

次からは実際に貸出が増えたのか、市場に出回るお金が増えたのか?というところを見ていきます。

 

超低金利政策が裏目に?

 

日銀が金融機関の収益低下を折り込んで進めた超低金利政策。
結果的に効果があったのでしょうか?

 

結論からいえば、金融機関全体で貸出残高は増加しました。

 

 

一見好調にみえますが、Jinが気になるのは記事中の以下の部分。

 

以下引用

日銀の分析によると地銀105行のうち過去3年間に貸出量を増やした銀行は、増やさなかった銀行よりも収益力が落ちていた。
貸出残高を増やした銀行ほど、貸出利回りの低下が大きかったためだ。

 

日銀の思惑通り、市場に出回るお金は増えたわけですが、結果としてさらに銀行を苦しめる結果に。

 

記事中では「返済に懸念のある企業にも貸出をせざるを得なくなった」という地方銀行の幹部のコメントも紹介されています。

 

本来貸したいはずの優良企業からはそもそも融資のニーズがなく、経営面に不安のある企業にリスクを取って超低金利で貸し出す。

 

銀行からすればかなり厳しい選択であるのは間違いありません。

 

結果として、2013年の金融庁による金融緩和で超低金利環境となり、銀行は収益確保・増加のため奔走することになります。

 

金融庁から厳しい目で見られてきた銀行

 

利ざやで稼げなくなってしまった銀行は、アパート向けのローンや銀行カードローンなどの事業を拡大。

 

しかし金融庁の調査により、アパート向けのローンは審査のずさんさが発覚、銀行カードローンについても多重債務を引き起こしているとの指摘をされました。

 

金融庁と銀行カードローンについては当サイト管理人の金無和也さんが解説しています

 

融資の事業にくぎを刺された銀行は、今度は外貨建て保険などの手数料ビジネスを始めますが、それも金融庁から問題視。

 

 

手数料が高い!資産形成に向いていない!との理由からでしたが、不正というわけでもないので銀行的には納得がいかない気持ちだったでしょう。

 

金融庁からやることなすことに文句を言われ、銀行からすればたまったものではないですよね。

 

このようになんとかして収益を増やしたい銀行と、それを厳しく監視する金融庁のやり取りがあったなかで今年2019年、さらに金融庁から新しい動きが出てきます。

 

今後は「将来性」も処分の基準に

 

金融庁は今年から「早期警戒制度」を導入し、将来性に不安のある銀行へは速やかに行政処分を下せるようになりました。

 

今までも厳しい監視体制はありましたが、今後も金融庁の目が厳しくなることでしょう。

 

最近では銀行だけでなく、かんぽ生命のような生命保険会社でも低金利な状況下での厳しいノルマから、保険商品の不正販売が問題になっています。

 

 

長期的な低金利環境にも関わらず営業方針の見直しを行わなかったのが不正の理由で、金融庁は業務改善命令を検討しているとのこと。

 

Jinとしては、スルガ銀行のような不正融資が起こらないように金融庁が目を光らせておきたい気持ちも分かります。

 

ただ一方でそうした行いに走らざるを得なかったのも、もともとは国が始めた政策が招いたことなんですよね…。

 

進む銀行業界内でのコストカット・収益確保の動き

 

今後、銀行も泣く泣くコストカットや収益確保に向けた動きを進めていくことになるはずですが、一体どのような対策をしていくことになるのでしょうか。

 

人員や店舗の削減

 

こうした国の超低金利政策に悩まされているのは地方銀行だけではありません。
メガバンクも地方銀行と同様に厳しい状態が続いており、コストカットの動きが進んでいます。

 

三井住友銀行

人員数:19年度末までに4,000人削減
店舗数:現状を維持しつつ次世代型の店舗に移行

三菱UFJ銀行

人員数:23年度までに約6,000人削減
店舗数:2023年度までに515→335まで削減

みずほ銀行

人員数:26年度までに19,000人削減
店舗数:24年度までに500→370まで削減

 

また最近メガバンクでは社内だけでなく、メガバンク共同でのATM数の効率化も進められることになりました。
背景にはコンビニのATMが増えたことや、キャッシュレス決済の普及があります。

 

このように今後ますますメガバンク・地方銀行を問わずコスト削減の動きは進むと思います。
その一方で長期的な低金利下で、いかに収益を確保していくかも気になるところ。

 

銀行業界がジリ貧から抜け出すために考えられる収益ルートは?

 

他銀行との提携・統廃合

 

近年ではコスト削減や経営の効率化により、地方銀行同士の統合の動きが出ています。

 

 

またつい最近でも、地方銀行大手の横浜銀行と千葉銀行の提携が発表されましたね。

 

 

お互いの強みを活かしつつ、共同での商品の開発や、千葉銀行から横浜銀行への遺言信託サービスの提供を行っていくとのこと。

 

ただ地方銀行の中でも大手なだけでなく、地域が近く犬猿の中といわれる横浜銀行と千葉銀行の提携は、それだけ今後の収益確保に課題が生じているからこそ。

 

他の銀行も今回のニュースをきっかけに提携を検討しているとの報道もありますので、今後もこうした提携や統廃合が進んでいきそうです。

 

他業界との提携

 

低金利で思うように収益が見込めないなか、他社との競争で疲弊している現状。

 

近年では通信業界など他の業界から銀行業に参入する企業が増えています。

 

大手のみずほ銀行は、2019年にLINEと提携し、2020年中に「LINEBank」事業を始めることを計画しています。

 

若者も使うLINEの圧倒的なユーザー数と、みずほ銀行が長年培ってきたノウハウを活かした新たなサービスが提供されることでしょう。

 

今後は競争だけではなく、お互いの利点を活かして提携する動きも増えていくのではないでしょうか?

 

LINEbankについてあわせて読みたい関連記事はこちら

 

他分野の事業の開拓

 

銀行は銀行法という法律により、「可能な限りその本業に専念」するようにと定められています。

 

ただ近年銀行の状況やIT技術の発達、社会の変化にともなって見直される動きもあります。
その動きとして代表されるのが、2018年3月に金融庁から認められた人材紹介業です。

 

銀行が取引先の企業に人材を紹介することで、人手不足への対応など企業の成長を支援するというもの。

 

しかしこれについては、自行のなかで余った人材を押し付けるだけではないかとの指摘がされています。

 

収益確保の観点からもどれだけの効果があるのかは、Jinでも分かりません…。

 

また銀行が2005年から切実に金融庁にお願いしているのが、「不動産仲介業」です。

 

金融庁の報告書でも少子高齢化、単身世帯の増加が指摘されており、不動産の相続とそれに伴う売却・購買のニーズの増加が見込まれています。

 

しかしこれについても、不動産業界は自分の顧客を奪われることにつながるので、現状反対されています。

 

他事業への開拓は金融庁次第になりそうですね。

 

最近の銀行業界の動向からJINが考える今後の展望

 

ここまで、「長期的な低金利で銀行が苦しい!」というお話をしてきました。
ただそれ以外にも今後さらに少子高齢化の進行は止まる気配がありません。

 

政策が変わって金利の上昇でもない限り、銀行業界がさらに厳しくなっていくのは間違いないでしょう。

 

生き残るためには、やはり前述したような他業種への進出などを進めるべきなのでしょうか?
ただ銀行が行っている本来の事業以外で成功した業種はあまりないように思います。

 

人材派遣業や銀行が要望している不動産事業も、スルガ銀行やかんぽ生命のように収益を立てるために無理をして問題を起こすことだってあるでしょう。

 

スルガ銀行については当サイトのライターしちさんメガネさんのこちらの記事をどうぞ♪

 

こうしたことを踏まえると、低金利でもメインの融資事業を広げていくしかないように感じます。

 

そのため、今後は他行との熾烈な顧客の奪い合いが起こり、それに負けた銀行は統廃合や廃業を余儀なくされていくのではないでしょうか。

 

この動きは2000年代に起こった消費者金融業界の再編と似ていますね。

 

当サイトで扱っている消費者金融業者も、2000年にはおよそ30,000社ほどの数が存在していました。

 

それも、収益に関わる金利面での法律が改正された影響で倒産・統廃合が進められ、今では2,000社ほど

 

いずれは銀行業界も同じ流れになっていくことでしょう。

 

消費者金融業界の縮小の要因についてくわしくはこちら

 

また、この長期的な低金利の影響はなにも「業界」だけとは限りません。

 

今はわたしたちが銀行に預金を預けても、「0.001%」しか金利が付かないのをご存知でしょうか?(※普通預金の場合)

 

日銀による金融緩和やマイナス金利以降、国民の金利収入の低下が指摘されています。

 

金融庁の報告書では、「老後二千万円必要」という流れから、国民への投資を推奨した件が話題になりましたよね。

 

それについては確かに多くの批判を集めましたが、余剰資金があるなら今は預けておくよりも資産運用をした方が老後の備えになることは事実です。

 

単に「銀行業界がオワコン!」と捉えるだけでなく、そこから将来を見据えていかに社会全体、あるいは個人の視点から考えていくかが大切なのではないかとJINは思いました。

 

 

Jin(キャッシング大全専属ライター)

 

アニメ・ソシャゲが趣味のオタク。金融だけでなく、政治やら経済やらにも関心がある模様。現在半泣きで奨学金を返している20代なのはここだけの話。

 

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