金融庁の「将来有望な企業への積極貸付」の指示に銀行が対応できない理由

金融庁が日本型金融排除を是正したいと考える理由と銀行の実情のズレ

 

金融庁は「平成28事務年度金融行政方針」を発表した際、信用金庫等を含めた銀行に対し、担保・保証がなくても事業に将来性がある、あるいは信用力は高くないが地域になくてはならない企業に対し、積極的に融資するよう促しました。
これは金融庁が、日本型金融排除といわれる、十分な担保・保証がある、あるいは信用力が高い企業にしか銀行が貸し出しを行わないという事態が生じていることを、問題視していることに他なりません。
ですが、金融庁の考えと実際に融資を行う銀行の実情には大きなズレがあり、これを実行するのは難しいことが予想されます。

 

銀行とベンチャーキャピタルの役割は異なる!その違いとは

 

そもそも銀行は、担保がなければ融資を行いません。
それは、個人や企業から預かったお金を運用し、それを損なわずに利益を得なければならないからです。
つまり、銀行融資は資金運用の一つで、投資ではないということです。
担保がなくても融資を行うのは、ベンチャーキャピタルです。
ベンチャーキャピタルは融資先に対して担保は求めず、代わりに技術やビジネスモデルに対して融資を行います。
それができるのは、ベンチャーキャピタルには投資する企業の技術や将来性を判断できるノウハウがあり、ハイリスク・ハイリターンを狙って事業展開を行っているからです。
貸し倒れのリスクを抱えながらの融資を、銀行が行うためには、貸し付けの際の金利を大幅にアップする必要があります。
それは、資金を必要とする企業にとっても、決してプラスになる話とはいえないはずです。

 

銀行本来の役割を考えながら、金融庁の目的を達成するためにできることは?

 

そもそも、銀行が融資を行う際にできるは、もしもの場合に備えて担保を評価することと、企業の財務諸表を読むことです。
ですが、それだけでは融資を申し込んだ企業がサービスや製品を持ち、どんな技術を開発し、それを用いた製品がつくられているのか、そこにどんな将来性があるのかを見極めるスキルは持っていません。
そして、そうしたサービスや製品の市場予測を行い、景気や産業、当該製品の競合会社などの情報収集をし、分析までもを銀行が担うのは、難しいのが現実です。
また、預金者からの預金を守ることをおろそかにしてまで、ハイリスク・ハイリターンな融資を行うのは本末転倒といえます。
金融庁の方針に従うためには、投資的な意味合いが強い融資を行う際には、地方自治体が保証するなどの受け皿が必要だといえるでしょう。

 

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