金融庁に利益相反防止で指針改定を受けた信託銀行や生保にはどんな問題があったのか?

出資先の顔色を窺って、議決権行使ができないことが指摘された信託銀行や生命保険会社

 

2016年10月に金融庁は、生命保険会社や信託銀行などの機関投資家に適用している行動指針を、2017年2月に改訂することを発表しました。
これは、生命保険会社や信託銀行に対し、資金の運用を委託した顧客の利益を最優先にすることを求めるということです。
その背景には、生命保険会社が資産の一部を株式で運用していたり、信託銀行が土地や建物、知的財産権などの管理・処分を行っている企業から、出資を受けるケースが多いことがあげられます。
そのため、生命保険会社や信託銀行が自社の成長を促したいと考えても、出資先の顔色を窺って、議決権行使ができないことを指摘されたのです。

 

生命保険会社や信託銀行における利益相反って、どういうこと?

 

では、生命保険会社や信託銀行における利益相反とは、どんなことかを説明しておきましょう。
生命保険会社や信託銀行のそもそもの顧客は、お金を預けてくれる個人です。
マイナス金利政策が導入され、超低金利や年金不安が大きくなる現代の日本では、個人の資産運用の重要性がますます高まっています。
ですが、生命保険会社や信託銀行に大口の出資をしてくれる企業と、顧客である個人との利害相反が起こることがあるのです。
具体的には、企業の利益を追求するために、個人顧客に不利益な取り引きを行うことなどです。
現代の日本では、資産運用会社のほとんどが、大手金融機関のグループに属しています。
そのため、資産運用会社の独立性が乏しく、専門性が蓄積されにくいことから、顧客本位の事業経営が行われるとはいえないという、批判も多かったのです。

 

個人のお金を預かる信託銀行や生命保険会社が持つべき顧客本位の姿勢

 

日本では、資産運用の筆頭が預貯金であり、投資を行う人は限られた人たちだけでした。
ですが、マイナス金利が導入され、個人投資家が増えている現代、生命保険会社や信託銀行が手数料に見合うだけの運用成績を上げられなければ、結果として株式市場への資金の流れが滞り、企業を育てる資金が捻出しにくくなります。
金融庁が行動指針を改定することにより、生命保険会社や信託銀行が企業価値向上のために正しく議決権行使や対話を行えるようになれば、個人顧客から預かった運用資金の利益を最大化することに、より注力することが予測されます。
これは、日本の成長分野に資金が流れやすくなるという点でも、効果が高いといわれています。
来年以降、生命保険会社や信託銀行が顧客本位の姿勢を貫くことができるのか、私たちも厳しく追及していくべきでしょう。

 

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