現在のカードローン市場について

カードローンを取り扱う金融機関は、ご存知の通り、大きく2つに分類することができます。

 

消費者金融や信販会社といった「貸金業者」、そして、全国対応の大手都市銀行に、地域密着型の地方銀行や信用金庫、実際の店舗を持たないネット銀行のような「銀行系」です。

 

そして、ほんの数年の間に、このカードローン市場を巡って、顧客に大きな動きがありました。
2010年を境に大きな変化を見せた金融業界の貸付残高は、貸金業者と銀行系の間で景気拡大と縮小とを往来し、業界各社は、ローン事業以外への進出やカードローン事業の一層の拡充など、社運を賭けてさまざまなサービスを展開してきたのです。

 

ただ、その中でも、従来からの凝り固まった金融機関の認識の中で、ひと際異彩を放ち、時代の波の後押しを受けて、短期間に消費者の視線を捉えたのがネット銀行のカードローンでした。

 

インターネット専業銀行の特徴は、実際の店舗は置かず、ネット上で取り引きを行うというスタイルにあります。
ただ、当初、この新しいスタイルは、従来から慣れ親しんだ通帳や印鑑といったモノによる証や対面での取り引きによる証明を持たないため、「大切なお金」を預ける側には、受け入れられないのではという声もありました。
さらに、銀行の貯蓄高を支える層、例えば、子育てを終え、比較的生活に余裕がある世代、貯蓄額も年齢も高い世代は、同時に「証明」を重視する顧客層でもあるため、少しばかり金利設定がお得だからという理由だけで、一気にネット銀行に流れることはないだろうという予想もありました。

 

しかし、これらの予想に反して、ネット銀行は、従来の銀行にはない発想とセンスで、その業績と存在感を瞬く間に高めていったのです。

 

このように、カードローンをめぐる業界の動きは、ごく短期間のうちに、大きく変化してきました。

 

今回は、カードローン市場はもとより、ネット銀行参入によって、業界の動きがどのように変化してきたのか?
そして、メガバンクのように店舗を持たないネット銀行が、どのようにして、カードローンの業績を伸ばしてきたのか?
ひとつひとつ紐解いていきましょう。

 

 

目次

  1. ネットバンクの参入による消費者ローン市場の変化〜異業種参入が金融業界に与えた影響〜
  2. 金融業界への異業種参入
  3. ネット銀行の違いとは?顧客にとってお得なのはどっち?
  4. メガバンクが選ばれる理由:人気企業と消費者が寄せる信頼
  5. ネット銀行が選ばれる理由:メガバンクとネット銀行の大きな違いとは?
  6. メインバンクにする?サブバンクにする? 結局お得な選び方とは?
  7. 既存銀行との差異化!「ネット銀行×商業」の顧客獲得戦略とメリッ
  8. 〜最後に〜ネットバンクのカードローンを利用する前にチェックしておきたい注意点

 

ネットバンクの参入による消費者ローン市場の変化〜異業種参入が金融業界に与えた影響〜

消費者に安心の金利設定で、使い勝手が良く、人気の高いカードローン。
意外だと思われるかもしれませんが、個人向けの銀行カードローンが、一般に、しかも、気軽に利用され始めたのは、実は、ここ数年のことなのです。

 

改正貸金業法が完全施行された2010年から翌年の2011年頃まで、消費者ローンと言えば、消費者金融のキャッシングというイメージが、社会的に浸透していました。
銀行融資と言えば、大口で、企業を相手にした、しかも、保証人や担保が必要なローンと考えるのが一般的だったからです。

 

 

ですから、「今すぐにお金が必要!」という事態に陥った時、保証人も担保の心配もなく、銀行のように身構える必要も無い消費者金融のキャッシングは、個人消費者にとって大変助かる存在だったのです。

 

このように、個人の財産ではなく、返済能力を担保にして融資を受けることのできる消費者ローンは、消費者金融とほぼ同義で利用される程、無担保ローン市場では貸金業者優勢で社会に定着していました。

 

しかし、2010年から2011年を境に、その状況は一気に変化していきました。
個人向けで、全国どこでも利用することができる小口無担保融資と言えば、消費者金融。
消費者ローンと言えば、「キャッシング」と言うように消費者に浸透してきた、その呼び名も、改正貸金業法施行時期を境に徐々に「カードローン」という呼び名を利用する金融機関が増えていったのです。

 

それは、銀行が個人向け無担保ローンを「カードローン」と呼び始めたことに端を発します。
はじめ、「カードローン」という言葉は、消費者金融のキャッシングのイメージを一掃し、銀行が独自に展開している消費者ローンであることをアピールするために利用したものでした。
それを今度は逆に、消費者金融側が利用するようになっていったというのが、「カードローン」という呼称が広まっていった経緯です。
消費者金融が、銀行が使い始めたカードローンと言う言葉を利用するようになったのは、銀行の信頼性の高さやイメージを利用し、それまでにキャッシングという言葉についてしまった多重債務やその他の問題や印象を払拭したいという思いがありました。

 

ご存知の通り、改正貸金業法が完全施行された2010年以降、銀行は、個人向けの無担保融資に力を入れ、銀行カードローンは、一気にその知名度を上げていきました。

 

消費者ローン分野では、向かうところ敵なしという状態を続けてきた消費者金融でしたが、改正貸金業法の施行によって上限金利が、29.2%から20%へ引き下げられ、年収の3分の1を超える貸し付けができないように定められたことで、すぐに消費者ローン市場に変化が現れました。

 

顧客の借入金額は、上限金額に年収という制限がかかり縮小、さらには、無収入の専業主婦層からの収益を一気に無くしたことで、貸金業界全体の景気は日増しに落ち込んでいったのです。

 

消費者ローン市場では、圧倒的な強さを見せつけていた消費者金融に、勢いを増した銀行カードローンが、追い上げをかけ、消費者ローンシェアは、短期間のうちに、消費者金融VS.銀行カードローンという図式に変わりました。

 

しかし、それもつかの間、2010年からわずか5年ほどで、銀行の貸し付け残高は1.5倍に跳ね上がり、2015年には、消費者金融の貸付残高を抜き、消費者ローン市場は、また、新たな展開を見せ始めたのです。

 

 

それまで、バブル経済崩壊後に多くの不良債権に苦しんだ銀行は、リーマン・ショック、金融ビッグバン、景気縮小、マイナス金利政策導入など日本国内ばかりでなく海外金融市場の不況も大きく影響し、収益悪化が続きました。

 

そして、このような金融市場を背景に、銀行は、舵取りが非常に難しい経営環境の中で、抜本的な経営改革を余儀なくされたのです。

 

その改革事業の中の一つとして銀行が、注力したのが、個人向け無担保融資で、同時期の改正貸金業法施行によって、消費者金融にとっての災いが転じ、好調な滑り出しとなったという訳です。

 

消費者金融の業績を抜き、実質的に銀行カードローンの独壇場となった後、全国対応の銀行カードローンの市場範囲をめぐって、新たに消費者ローンシェアに加わったのが、メガバンクVS.ネット銀行という図式でした。

 

消費者ローン市場の形勢は、短期間のうちに消費者金融の独占体制から、消費者金融VS.銀行カードローンへ、そして、銀行、メガバンクVS.ネット銀行というように変化してきたのです。

 

金融業界への異業種参入

このような動きの中で、とりわけ消費者ローン市場に活況を呈したのが、異業種から参入してきたネット銀行でした。

 

長い歴史の中で構築されてきた金融市場を取り巻く構造とそれらを支えてきた人々の意識を改革するのは、至難の業と言われてきた中で、ネット銀行は、既存の金融秩序に割り入って、金融業界に旋風を起こしたのです。

 

そして、金融業界への異業種参入を可能にした、その源流が、日本版金融ビッグバンです。

 

「失われた20年」と言われるほど、日本経済に大きな打撃を与えたバブル経済崩壊以後、
日本政府は、日本経済の再生を目的として大規模な金融改革を行いました。

 

この金融改革は、イギリスが、経済規制を撤廃することによって、金融自由化を進め、ロンドン株式市場を再興したことに倣い、日本も経済を復興させようとしたことが狙いでした。

 

そして、日本金融市場の構造改革は、まず、不良債権処理と東京市場を自由で効率的な市場に再編成すること、また、規制緩和を進めるにあたって「自由な市場」「公正な市場」「国際的で最先端の市場」を課題に行われてきました。

 

中でも銀行業務に直結して影響力を持った取り組みは、異業種からの銀行参入許可、銀行窓口での投資信託の販売、生命保険と損害保険の相互乗り入れの解禁など、これまでの銀行では、想像もつかないようなものでした。

 

例えば、住宅ローンの相談に来た顧客に、火災保険を同時に薦めるなど、銀行と異業種間の垣根を取り払うことで生まれた新たな戦略は、自由化によって同時に、サービス合戦といった金融業界競争を生みだしたのです。

 

このような政策を背景にして、世界に遅れをとること約5年の2000年に日本でもインターネット専業銀行が、異業種参入によって登場したのです。

 

この時既に、アメリカでは、1995年にSecurity First Network Bank(SFNB)が、世界初のネット専業銀行として設立されていました。
営業店舗を持たず人件費や設備費がかからずに済む分、金利や手数料といったサービスを充実させ、集客を成功させていったのです。
このSFNBのネット専業銀行としての取り組みは、ビジネスモデルとして、世界に広まっていきました。

 

さらに、SFNB 設立と前後して、Amazon.comやeBay Inc.など、インターネットを利用した世界的規模のショッピングやオークションサイトが登場するなど、アメリカでは、世界に先駆けてITを利用した経済発展を実現させたのです。

 

日本で初めてのインターネット専業銀行、ジャパンネット銀行は、さくら銀行、富士通、日本生命、東京電力、NTT東日本など、各業界大手の出資によって設立されました。

 

この2000年10月のジャパンネット銀行営業開始以降、日本でも2001年にソニー銀行、イーバンク銀行(現・楽天銀行)とセブン銀行、2007年には、住信SBIネット銀行イオン銀行、翌2008年には、じぶん銀行が相次いで誕生したのです。

 

このように、2000年以降に登場したネット銀行は、従来の銀行にはないアイディアとサービスで顧客をつかみ取り、ほんの数年のうちに瞬く間に消費者ローン市場でも頭角を現していったのです。

 

ネット銀行の違いとは?顧客にとってお得なのはどっち?

このように、ほんの10年足らずでカードローン市場シェアは、多重債務問題やそれによる法改正、国内外の経済状況の影響を受け、消費者金融、都市銀行、地方銀行、ネット銀行などそれぞれに拡大と縮小を繰り返してきました。

 

そのような状況を経緯して、特に全国対応の銀行カードローンの市場シェアにフォーカスしてみると、現段階では、メガバンクVS.ネット銀行という形勢になっていることが分かります。

 

では、今なぜ、銀行カードローンの中でも、メガバンクとネット銀行が利用者に選ばれているのでしょうか?

 

以下では、銀行カードローンの利用者が、メガバンクとネット銀行を選ぶ理由を探り、利用者にとってお得な銀行は、果たしてどちらなのかを考えていきます。

 

 

 

宣伝広告による企業露出度と消費者の行動との関係

企業収益や顧客集客を考える上で、欠かせないものの一つとして挙げられるのが、広告です。
広告には、新聞や雑誌、交通機関の中刷り、看板、ネット広告、ラジオやテレビCMなど、「広告」とひとことで言っても、さまざまな媒体が存在するものです。

 

つい最近、ノーベル賞受賞の話題で大きく取り上げられた行動経済学も従来の経済学にはない顧客というターゲットの心理や行動を盛り込んだ分野で、情報の認知や関心、人々の消費行動と宣伝の影響を経済学という視点から、研究されていますが、これらによっても、いかに広告が消費者の購買意欲と直結しているのかが分かります。

 

このように広告は、企業の売り上げを大きく左右する一つの方法なのですが、では、「銀行カードローン」の宣伝にフォーカスしてみた時、すぐに思い浮かべることのできる金融機関は、どこでしょうか?

 

実際、このように質問されて、メガバンクやネット銀行を挙げる方は少なくないでしょう。

 

記憶に残っている宣伝フレーズ、視覚に焼き付いた色彩や配色、あるいは起用されているタレントや文字など、消費者の記憶の中には、知らず知らずに、宣伝広告が内面化されています。

 

そのような状態で、「お金が必要!どこで借りる?」という選択を迫られたとするなら、少なくともいくつかの選択肢の一つに、既に記憶の底に取り込まれている、「見た(聞いた)ことのある」銀行が候補として挙げられるのではないでしょうか。

 

このように、広告による社名や商品の露出度から考えれば、今、特にメガバンクやネット銀行が、消費者に選ばれる理由が分かるでしょう。

 

また、特に、ネット銀行の場合、その多くが、例えば、セブン銀行や楽天銀行、イオン銀行というように大手ショッピングサイトやコンビニ、大型商業施設などなじみ深い企業名がつけられているために、選択肢に入りやすいという点も銀行にとっては、かなりのメリットです。
さらには、人々の暮らしの中に身近に存在していることによって、足を運び、広告を目にする機会も多いという点も消費者に選ばれるポイントになっているのです。

 

ですから、ローン契約先を選ぶ時に消費者が真っ先に思い浮かべるのは、金利の低さやどの銀行がお得なのか?というよりも、知っている、あるいは、有名な金融機関という訳です。

 

しかし、ただ単に、広告が多く、頭に残るからというだけではなく、実際に消費者は広告を見る一瞬で「広告が多い→コストがかかる→それだけの力がある→安心」という図式を浮かべ、その企業の力や財力を測っているとも言えるのです。

 

メガバンクが選ばれる理由:人気企業と消費者が寄せる信頼

企業の人気や知名度も、消費者による契約銀行の選択には、大きく影響します。

 

2018年卒業予定で就職活動を行った大学生が選んだ人気企業ランキングを見てみると、総合ランキングでの1位は、みずほフィナンシャルグループ、2位 三菱UFJ銀行、3位 前日本航空(ANA)、4位 日本航空(JAL)、5位 三井住友銀行という結果になっています。

 

また、日本に存在する大企業、中小企業、小規模企業など、俗に企業と呼ばれる組織のうち、大企業は、僅か0.3%の約1万1000社と言われています。

 

それだけ多くの企業が存在し、さまざまな業種の人気企業がひしめく中でのトップ5に三大メガバンクが揃って名前を連ねているというだけでも驚きですが、3行それぞれが、この数年間トップテン入りを果たしているという点もメガバンクの圧倒的な人気を裏付けています。

 

また、就活生にとっては、圧倒的な規模と他企業よりも高い収入、大企業であるというブランドとイメージも選択な際の大きなウエイトを占めるようです。
さらに、旧財閥から取り引きのある企業があることや長い歴史と安定性、自分を試すことができるグローバルな環境が整っているという点も人気の理由です。

 

この大学生の就活企業ランキングは、一見、銀行カードローンの企業収益には、関係ないように思われますが、人気企業ランキングは、世相を反映していると言われるように、利用者数や企業収益などからも人気の高さを窺い知ることができます。

 

例えば、2015年3月期に邦銀として初めて、純利益が1兆円を超えたと話題となった三菱UFJフィナンシャル・グループの翌年3月末に発表された総資産は、298兆円とメガバンクの中でも圧倒的な規模を見せつけています。
しかも、三菱UFJの例に漏れず、みずほ、三井住友のいずれも数百兆円という桁違いの総資産、グローバルな展開、銀行業界トップのブランド力で、三行を併せると、銀行カードローンシェアも業界全体の約4分の1を占めているのです。

 

2017年3月末の銀行カードローン残高は、5兆6024億円、そのうち、三菱UFJ銀行カードローンみずほ銀行カードローン三井住友銀行カードローンの3メガバンクの合計額は、1兆6300億円と他行に大きく差をつけています。

 

さらに、メガバンクは、IT技術に投入することのできる資金力にも優れているため、利便性で抜きに出た感のあったネット銀行カードローンのネットを通したサービスもインターネットバンキングサービスによって実現させ、顧客の利便性を求める声に応えたのです。

 

このように大学生の人気企業ランキングからも分かるように、ランキングされるだけの人気、そして、企業規模や知名度から来る信頼性も、メガバンクが選ばれる大きな理由となっていることは間違いありません。

 

ネット銀行が選ばれる理由:メガバンクとネット銀行の大きな違いとは?

一方、ネット銀行が、消費者に選ばれているのは、メガバンクとの大きな違いに理由があります。

 

ネット銀行が、登場した当初、大きく取り上げられたのが、これまで、午後3時までに銀行に出向かねばならなかったのが、24時間365日、ネット環境さえあれば、いつでもどこでも、銀行取り引きができるようになったということでした。

 

今でこそ、従来型の銀行もインターネットバンキングによって、ネット上でオンラインでの銀行取引ができるようになりましたが、ネット銀行が、登場した時点では、これらのサービスは、大変画期的なものでした。

 

最近では、インターネットバンキングによって、メガバンクとネット銀行の差が無くなりつつありますが、それらを加味した上での大きな違いは、やはり、「店舗」にあります。

 

メガバンクもインターネットバンキングを利用することができる銀行ではありますが、一方で、いくつもの店舗を持ち、通帳での取引も健在で、窓口での取引も行われています。

 

メガバンクとネット銀行を並べてみた時、この「店舗」での銀行取引は、信頼や安全というイメージと直結して、何かあれば、いつでも対面で相談することができるというように、メガバンクの人気や顧客集客に大きく貢献していることが分かります。
メガバンクと言えば、都内では、一等地に店舗を構え、地方であっても都市部の中心地に支店を持っているのが通常です。
一等地と言わずとも、そのコストは、莫大なものであることは誰もが簡単に想像できるところです。

 

一方、ネット銀行は、店舗を持たずネット上での運営に特化した銀行ですので、企業側にとっても最小限の設備投資で賄うことができるという点が、顧客へのサービス向上にとっても大きなポイントとなっているのです。

 

さらに、ネット銀行は、土地や建物、固定資産税等の経費削減ばかりでなく、細かなところで言えば、自行ATMなどへの設備投資、本来店舗があればかかる光熱費や維持費、通帳作成費用等を必要としないこと、また、ネット上での取引きによってペーパーレス化を実現し、大幅にコスト削減を実現しているのです。

 

このように利便性ばかりでなく、コスト削減によって捻出された分、預金金利を高く、手数料は安くするなど顧客に大きなサービスとして還元するという手法をとることで、徐々に消費者を獲得していったのが、ネット銀行なのです。

 

ただ、ネット銀行は、コスト削減ばかりでなく、従来の「銀行」の価値とは、全く違った各分野の技術や価値観を取り入れ、顧客にとって不便な店舗営業、割高な手数料、面倒な手続きが揃う既存の銀行営業に異業種という独自の目線で次々と挑戦していったのです。

 

ネット銀行が、メガバンクと肩を並べて消費者に選ばれるようになった理由の一つに、インターネットを利用し、利便性を追求したサービスを挙げることができます。

 

例えば、オークションサイトやショッピングサイトを経営する法人と個人の間での少額決済や証券会社やFX業者などの口座への入出金等の決済、toto(サッカーくじ)などの販売、
そして、カードローンもその一つです。

 

銀行という信頼はそのままに、利便性の高い消費者目線のカードローンがサービス開始後、例えば、楽天銀行カードローンが、2009年の発売開始から、わずか6年間で貸付残高3000億円を突破したように、カードローン市場でネット銀行の商品が、次々と収益を上げていったことは、何よりの人気の裏付けと言えるでしょう。

 

メインバンクにする?サブバンクにする? 結局お得な選び方とは?

このように、メガバンクとネット銀行には、それぞれ人気の理由があるわけですが、どちらを選べば、自分にとって得になるか?については、まず、自分に合った利便性を見極めることで判断されることをおすすめします。

 

詳しい数字については、以下でご説明しますが、カードローンを利用する場合に特に気になる「金利」は、メガバンクもネット銀行も低金利でどちらを選択しても、お得に利用することができます。

 

しかし、銀行の選択にあたっては、メインバンクにするのか、サブバンクとして、自分の都合に合わせてよいサービスだけを受けるのかによっても選択の方法が変わってきます。

 

ただ、いずれにしても、貯金金利や手数料、カードローンであるならば、金利やその他の条件がそれほど変わらないという2行で迷った場合には、ネット環境の有無やパソコン等が得意であるかどうか、出入金に利用するATMの近さなど、ご自分の住環境や志向などを第一にして決定されるのが、一番満足度の高い決定方法ですので、ご利用の際には参考にしてみてください。

 

以下では、さまざまな企業のブレインが集結してつくられたネット銀行が、いかにして、メガバンクに追いついてきたのか?
そして、メガバンクVS.ネット銀行という図式がカードローン市場に浮上する程に成長したネット銀行のとった戦略とは、どのようなものだったのかを見ていきます。

 

ネット銀行カードローンの顧客獲得の戦略とは?

ネット銀行カードローンを消費者ローン市場の高みに押し上げたのは、銀行による戦略ばかりではありません。
ネット銀行カードローンが、比較的短期間のうちに成果を上げてきたのには、以下のようなことも大きく影響していたのです。

 

従来型銀行の対応力の低下

「銀行」と言えば、先に挙げたメガバンクばかりではありません。
メガバンク以外にも、都市銀行や地方銀行、信用金庫などカードローンを取り扱う銀行は、数多く存在しています。

 

しかし、ネット銀行カードローンが勢いに乗って次々と登場してくる少し前、金融市場の動きと少子高齢化や過疎化といった社会における外部的要因によって、銀行破たんや譲渡、銀行同士の合併などが相次いで取り上げられていました。

 

特に、バブル崩壊後の金融機関は、企業の相次ぐ倒産によって不良債権が増加、多くの金融機関が経営を圧迫され、大変厳しい状態が続きました。
大規模リストラの決行や営業店舗の縮小を含め、銀行自体のビジネスモデルや体質までも、根底から改革をせざるを得ない事態に追い込まれていったのです。

 

また、個人向け無担保ローンは、貸金業法完全施行に伴い、この頃の銀行にとって、注力事業の1つであったことに間違いありませんが、ネット銀行参入の勢いに押され気味だったことも否めません。

 

その理由は、根深く内面化された金融秩序と規制業種であることの縛りが、ネット銀行のように新たな価値を取り入れる隙を作ることを難しくしていたということ。
また、合併やリストラの増加に加え、リーマン・ショック以降、国際的な金融規制の強化・拡大によって、金融機関に求められた課題は多種多様にわたり、物理的にも顧客サービスを高めるだけの余力がなかったというところも本音でしょう。

 

そして、異業種が集まり、ネットを利用した新しい形の銀行業を始める中で、既存銀行は、変革を求められているにもかかわらず、自分たちの競争は、対金融機関だという固執した認識から脱却することがなかなかできなかったことも、ネット銀行が台頭していく一つの要因となったのです。

 

テクノロジーの発展

また、ネット銀行を社会や銀行カードローン市場で目立つ存在にしたのは、なんと言ってもテクノロジーの発達です。

 

インターネット専業銀行は、その名前の通り、IT技術によって登場した銀行です。

 

ネット銀行カードローンは、この技術を最大限に利用することによって、ネット広告による宣伝から、消費者による申し込み、契約手続きや借り入れ、ローン管理など一連の手続きをネット上で完了させることに成功したのです。

 

さらに、近年のスマホの登場によって、パソコンを利用するまでもなく、アプリを利用し手軽に、しかも簡単に管理ができるようになったことで、さらに利用者も拡大していきました。

 

今後の飛躍を左右する利用者層

そして、これまでだけでなく、ネット銀行の今後の飛躍を左右するのは、1990年代後半以降生まれのユーザーの動向にあるでしょう。

 

1990年代後半以降に誕生したユーザーは、生まれた時から既にインターネット環境が身近に在り、IT技術の発展と共に成長してきた世代です。

 

このIT環境に寄り添って育った1990年代後半以降生まれのユーザーは、デジタルに強いというよりは、生活の重要な一部分として技術を活用し、ネットの中に生活を取り込んでいるような世代で、例えば、従来の銀行取引には必須の印鑑や紙ベースの手続き一つとっても、面倒だと敬遠する傾向にあります。

 

信頼や歴史、実績といったことよりも、スピードとサービスを重視する傾向があり、その点からも、従来の店舗があり、窓口で対面での相談ができるといったサービスは、この世代にとっては、サービスとはとらえない可能性が高いでしょう。

 

このようにそれ以前の世代とは、随分と違った価値観を持っているようにも思えますが、そう時間がかからないうちに、この世代が、銀行カードローンをよく利用するユーザー層のボリュームゾーンを占める時がやってくるのは確実です。

 

その時、この世代が面倒だと思わずに利用する銀行カードローンは、どのようなものかを想像すれば、ネット銀行のさらなる飛躍が容易に予測できるでしょう。

 

既存銀行との差異化!「ネット銀行×商業」の顧客獲得戦略とメリット

これまで見てきたように、ネット銀行は、わずか数年のうちに、大手行に迫る勢いでその存在感を高め、銀行カードローンシェアも急速に高まっています。

 

長い歴史の中で築き上げられた、銀行の在り方と旧行意識が残る銀行業界の中で、ネット銀行が、短期間のうちにシェアを広めていった理由は何か。

 

具体的にどのような戦略で存在をアピールし、顧客から支持を受けていったのか。
ここでは、既存の銀行とは違うネット銀行の戦略とメリットをまとめていきます。

 

銀行取引プラスαがワンストップで完了する利便性!

ネット銀行の中でも、目立つのが「銀行×商業」の組み合わせです。

 

銀行業界への異業種参入と騒がれたように、流通企業や証券会社、電話会社やコンビニエンスストア等、銀行とさまざまな業種による便利で新しい銀行としてネット銀行はスタートしました。
そして、銀行とさまざまな業種との組み合わせが、顧客のニーズに対応しやすい環境づくりを容易に、かつ可能にしたのです。

 

忙しい暮らしの中で、さまざまな用事を一度に済ませることができるという便利さは、従来型の銀行にはないサービスで、多くの顧客を惹き付けました。
その代表格が、大手コンビニエンスストアとの連携によって、24時間いつでも、買い物ついでに、ATMを利用できるというワンストップを実現させたセブン銀行のようなネット銀行です。

 

そして、このワンストップで完結するサービスは、さらに進化していきました。

 

例えば、イオン銀行が属する大型商業施設で有名なイオングループでは、銀行等の総合金融事業はもちろんのこと、総合スーパー事業、スーパーマーケット事業、ドラッグ・ファーマシー事業、ディベロッパー事業、サービス・専門店事業、国際事業と収益に直結する事業も多種にわたっています。

 

それらの利点を利用して、イオン銀行では、顧客ニーズに応えるべくワンストップでさまざまな用事を済ますことのできる環境を創り上げたのです。

 

その一例が、「暮らしのマネープラザ」の取り組みです。
この施設は、利用者が、日常の買い物ついでに気軽によることができるようイオンショッピングセンター内に備えられ、土曜・日曜、祝日はもちろん、年末・正月三が日、ゴールデンウィークにも休まず毎日午前9時から午後9時まで営業しています。

 

ここでは、預金をはじめ医療保険やがん保険などの各種保険、個人年金「iDeCo」、投資信託に加え、住宅ローンや無担保ローンなどの相談や商品サービスを受けることができます。

 

これまで、貯金やローンは、銀行へ、保険については、保険会社へ、投資については証券会社へといくつもの場所へ足を運ばなければならなかったものが、一ヵ所で、しかも、お買い物ついでにできてしまうのですから、利用者にとってこんなに便利なことはないでしょう。

 

さらに、イオン銀行では、電話での質問はもちろんのこと、上記それぞれのサービスの申し込みは、全てネット上のHPからワンストップで可能です。
一般的に、店舗窓口を持たないネット銀行の中において、店舗対応という従来型の銀行の良さとネット銀行の利便性の両方を兼ね備えた、ネット専業銀行の銀行の中でも高いサービスを提供しています。

 

また、同様に、楽天銀行の属する楽天グループは、ネットショッピングサイトだけでなく、証券や保険、電子マネー、クレジットカードといった金融サービス、トラベル、デジタルコンテンツなどのインターネットサービス、メディアツールやプロスポーツなど、そのサービスは、70を超えています。

 

公式HPの楽天グループサービス一覧で、確認してもらえばお分かりいただけるように、ネット上の一ヵ所(1ページ)から、グループ内で提供されているさまざまなサービスを受けることができるネット上でのワンストップも、利用者にとっては、分かりやすく便利な機能です。

 

利便性を利用した企業グループ内での顧客の囲い込み

さらに、上記の楽天グループを例にとってみると、多岐にわたるそれらのサービスの中から1つを利用する時、グループ内の事業を連動させて利用することで利用者に特典があるようなシステムを導入しています。

 

具体的には、楽天銀行カードを利用すると「楽天スーパーポイント」が貯まり、貯めたポイントは、楽天銀行だけでなく、楽天グループのサービス全般で利用することができる仕組みになっているのです。

 

例えば、楽天市場や楽天トラベル、楽天ブックスで商品を購入した場合、月々1万円の買い物で通常であれば1200ポイントであるのに対して、楽天銀行カードを利用すると2倍の2400ポイントになっています。

 

さらに、ローンや電子マネーなど利用を積み重ねることによって上記以上のポイントを得ることができるような仕組みが採用されていて、グループ内でサービスを連動させることによって顧客の満足度を上げる工夫がなされています。

 

このような戦略をとっている企業は、楽天グループだけではなく、イオンカードセレクトとWAONポイントなどでも同様の仕組みが見られるようにイオン銀行などもその代表例です。
こように企業グループ内でのサービスを連動させることによって、顧客満足度を上げ、顧客を引き入れていく戦略は、ネット銀行が最も得意とするところで、短期間の間に銀行業界の中で存在感を高めた大きな理由の一つです。

 

貯金金利の良さ

上記のように、企業グループ内のさまざまなサービスを連動させることによって得られるメリットとは別に、カードローンや証券、ショッピングなどにネット銀行をメインバンクとして使用するとさらにお得になる可能性があります。

 

カードローンや証券購入の利用に、なぜ?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ネット銀行の普通貯金通帳の金利の良さは、侮ることができません。

 

さらに、銀行カードローンを利用する場合、同行の口座開設を利用条件として挙げている銀行が多いため、折角ならば、メイン銀行としての利用を考えてみるというのもおすすめです。

 

せっかく銀行口座を開設するのであれば、金利は高い方が良いに越したことはありません。

 

ただ、マイナス金利導入のこのご時勢に、「どこの普通貯金金利も同じようなものでしょう」と思われるかもしれませんが、実際に、ネット銀行の1年定期預金では、大手銀行の12-25倍、普通貯金の金利では、メガバンクの100倍になってしまう銀行もあるのです。

 

例えば、三菱UFJ銀行 みずほ銀行、三井住友銀行と3大メガバンク共に普通貯金金利は、年0.001%となっています。
一方、ネット銀行大手のイオン銀行では、イオンカードセレクト(キャッシュカード、クレジットカード、電子マネー(WAON)、また、カードローンが一体になったカード)を持つと、年0.100%となり、ネット銀行の中でもトップレベルの金利になります。

 

このように、口座とその他のサービスを連動させて利用することで金利を上げることができるサービスについては、以下の項目で、詳しく触れることにしますが、普通貯金より金利の上がる定期貯金を利用しなくとも、メインバンクとして利用すれば、それだけ残高も大きくなり、利息に繋がるのです。

 

金利に期待はできないと言われる今だからこそ、少しでも金利を高く、後の資産に少しでも繋げていくことができる銀行を選びたいものです。

 

ATM手数料0円

回数制限や条件を付けている銀行もありますが、振り込みも出金もATM手数料が無料で、しかも24時間利用することができるという点は、ネット銀行を利用したいという利用者を増加させた大きな理由でしょう。

 

ターゲットは日本人ばかりではない??利便性の高いATM

ネット銀行が24時間365日いつでも便利に、コンビニATMを利用して銀行取引ができるというメリットは、既に一般に広まった感がありますが、日本人ばかりでなく、訪日外国人へのサービスも充実していることは、あまり知られていないのではないでしょうか。

 

ジャパンネット銀行や楽天銀行が主要ATMとして利用するセブン銀行ATMでは、2015年に日本初となる12言語対応の現金自動預け払い機(ATM)を登場させました。
現在ではゆうちょ銀行が、16ヶ国語対応のATMを出していますが、訪日外国人観光客や2020年の東京オリンピックを見据えたフレキシブルなサービス対応に、ネット銀行ならではのフットワークの良さを感じます。

 

さらに、同行では、世界中で発行された30億枚以上のキャッシュカード、クレジットカードで約日本円のATM出金ができるサービスを提供しています。

 

利用することができるブランドは、VISA、MasterCard、American Express、JCB、中国銀聯の他、PLUS、Cirrusマークがついたカードで、セブン銀行ATMにおける2016年の海外発行カード利用件数は、過去最高の747万件で前年比127%と今後さらなる収益が期待されるところです。

 

ちなみに、実際に訪日外国人が日本で利用している海外発行のクレジットカード利用件数は、今から10年前の2007年では約31万件、2010年には約125万件、そして、2014年には400万件以上と僅か数年で10倍以上の伸びを見せています。

 

このように日本人ばかりでなく訪日外国人や今後のインバウンドを見据えた取り組みは、ネット銀行がいち早く取り入れたサービスと言えるでしょう。

 

 

リアルタイムでの振込・送金反映

他行への振り込みやネットショッピングの決済など、急いでいる時に相手にリアルタイムでお金を振込ことができるのは、大変便利です。

 

ネット銀行は、携帯やパソコンなどからの残金確認はもちろんのこと、リアルタイムでの振込・送金反映にも長けています。

 

近年では、ネット銀行以外でもインターネットバンキングによって、あまり珍しくないように見られていますが、実際のところ、「今、振り込みましたので、チェックしてください」と相手に連絡をして、相手側が、リアルタイムで振り込み完了が確認できる銀行は、未だ限られているのです。

 

インターネットバンキングが利用可能な銀行であっても、例えば、営業時間内に振り込みを終えたものについてのみ、本日中に反映され、それ以外は、翌日という銀行も少なくありません。

 

さらに、全国銀行協会は、24 時間 365 日決済ができるシステムの稼働を目指し、平成30年10月に始動できるよう取り組んでいますが、現段階でリアルタイムでの振込・送金を反映させることができるのは、店舗を有する銀行数行を除き、そのほとんどがネット銀行大手ですので、この点でも、ネット銀行は便利です。

 

〜最後に〜ネットバンクのカードローンを利用する前にチェックしておきたい注意点

上で取り上げてきたように、ネット銀行は、現代人の生活のニーズをとらえた利便性の高いサービスを提供しています。

 

しかし、メリットが高い一方で、注意しておきたい点もいくつかありますので、利用前には、必ず把握しておくことをおすすめします。

 

それは、パソコンや携帯の故障、停電等で充電が無くなるなど障害があった場合、さらには、暗証番号を忘れてしまったという場合には、一時的に銀行取引ができなくなってしまう可能性があること。

 

また、ネット犯罪等に備え、セキュリティは万全にしておく必要があるという点です。

 

インターネットを利用したサービスには、このような、不利な点もありますので、利点と注意点をよく理解した上で、活用されるといいでしょう。