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民法改正でカードローン利用はどう変わる?成人年齢は引き下げられても借りられない人もいる?

2018 年、成人年齢引き下げで、改正民法が成立したことは、記憶に新しいところです。

 

18歳、19歳の人たちは、急に「大人」として扱われるようになり、親の同意を得ることなく、お金が借りることができるなど、さまざまな契約を単独でできるようになります。これまで「未成年」として括られてきた子供たちの暮らしは、どのように変化し、どのような影響があるのでしょうか?

 

新たに「成人」と定義される人たちの中には、どこにでも「保護者」がついて回るという煩わしさから解放され、まるで自由を謳歌できるかのように思う人もいるでしょう。

 

ただ、そのように喜ぶ人が多い一方で、お金に纏わるさまざまなトラブルを見越して、民法改正を懸念する声も成人年齢引き下げについての検討準備の段階から、多く上がっていました。
このような状況から見てみると、今回の民法改正は、一概に、万人がもろ手を挙げて喜ぶことのできる状態になるとも言えないようです。

 

では、このように各方面からさまざまな意見が飛び交う中で、実際に、民法改正でカードローン業界はどのように変化するのか?、18歳、19歳というこれまで一般的な借入で契約対象外とされてきた人々にとっては、単純に「便利になる」という一言で片づけられるようなものなのか?
今回は、成人年齢引き下げとカードローンについて見ていきます。

 

田辺華子(キャッシング大全専属ライター)

 


文筆家。書きたい人をサポートする「つくし舎」代表。3児の母。専門は、女性のライフステージとお金に関すること。大学を退職後、教育や執筆に関すること、また、結婚、妊娠、出産から老後まで、女性のお金に関することを中心に、セミナー講師、執筆を行っている。

 

 

民法改正でカードローン業界は何が、どのように変わるのか?

 

①成人年齢が引き下げになるのは、いつからか?

成人年齢を20歳から18歳にするというこの成人年齢の引き下げが、現行法に替わり、スタートするのは、2022年の4月1日です。

 

2018年3月、政府は、成人年齢引き下げに関する民法改正案を国会に提出しました。
その後、6月13日の衆参本会議において、賛成多数で可決され、正式に改正民法が成立したのです。

 

②民法改正で、変わる事、変わらない事

この法案が成立しても、健康や精神的な面への害などから、改正反対の意見が強かったものについては、現行法と同じように、対象年齢を20歳以上としたものもあります。
しかし、一方で、この成人年齢の引き下げにあわせて、民法を含める約23本の法律は、同時に改正されることになっています。

 

簡単に、どのように変化するかを暮らしに身近なもので見てみると、次のようなものが挙げられます。

  • 親の同意なくカードローンを利用することができるようになる。
  • 自分名義のクレジットカードを作り、高価なものもでも簡単に手に入れることができるようになる。
  • 携帯電話の契約や携帯電話購入のためのローンも保護者の承諾が要らない。
  • 女性が結婚することができる年齢をこれまでの16歳から18歳に変更。
  • ※ただし、男性については、現行のまま。

  • 喫煙や飲酒、また、競輪や競馬などの賭け事については、健康上の問題やギャンブル依存

への懸念などから、改正後も変わらず20歳未満は禁止となる。

 

暮らしに身近になるところで言うと、上記のようなところでしょう。

 

ただ、この他にも、有効期限10年のパスポートが取得できるようになる、性同一性障害の性別変更申し立てができるようになる、また、欠格事由を「未成年者」としてきた資格や営業免許なども成人年齢引き下げで、可能になることが多くなり、18歳、19歳年齢層には選択の幅が拡がるというメリットがでてきます。
気になる少年法については、「立ち直りを困難にする」「再犯が増えて、被害者も増えてしまうのでは」といった意見も多く、慎重に話し合いが進められているところです。

 

ちなみに、選挙権については、既に別の法律によって18歳以上が投票できるようになっていて、ご存知の通り、こちら、2016年の参議院選挙から実行されています。

 

さらに、ここまで、心配する必要もないかもしれませんが、成人年齢が18歳に引き下げられる2022年4月、この翌年の成人式は、18歳、19歳、20歳とその人数は通常の3倍の式となり、経済効果はあるかもしれませんが、その分、混乱を招く可能性もぬぐい切れません。

 

しかし、なぜ、140年もの長い間、社会通念として定着してきた「成人年齢=20歳」をあちこちの法や社会の仕組みを変えてまでも、変更しようとしてきたのか?

 

民法改正でここが変わる!カードローンの利用方法

 

利用条件が変わる!

民放改正で、これまでの利用方法と大きく違ってくるのは、利用条件の部分です。
法律が変わり、成人年齢が20歳から18歳になると同時に、カードローンの利用条件も変わることになります。

 

ご存知の通り、カードローンを利用するためには、まず、「利用条件」をクリアする必要があります。
この利用条件は、各企業によって、若干異なる部分もありますが、基本的に統一されている条件に「満20歳以上であること」という年齢条件があります。

 

カードローンの「利用条件」を金融機関各社のHPなどでチェックしてみると、次のような記載があることに気づくでしょう。

三井住友銀行 カードローン 満20歳から満69歳以下
みずほ銀行カードローン 満20歳から66 歳未満
プロミス ※18歳以上74歳以下
アコム 20歳~72歳
アイフル 満20歳から69歳以下

※お申込時の年齢が18歳および19歳の場合は、収入証明書類のご提出が必須となります。
高校生(定時制高校生および高等専門学校生も含む)はお申込いただけません。
収入が年金のみの方はお申込いただけません。

 

このように、各金融機関では、利用できる範囲を年齢で制限しています。

 

さらに、銀行も消費者金融も上限年齢には、各社で多少の幅があるものの、下限年齢は、統一されていることがお分かりいただけると思います。

 

これらを例にとると、現行法の「成人年齢20歳」は、改正民法施行後、それが18歳になることで、カードローンの「年齢条件」は、「満18歳から」と変更し、書き換えが行われる金融機関が多くなると見込まれます。

 

これによって、現行法で「未成年」となっている高校生でも、民法改正後は、18歳の誕生日を迎えてさえいれば、カードローンにも申し込みができることになるという訳です。

 

利用者数が変わる!

また、「年齢条件」を2歳引き下げることで、大きく変化すると予測されるのは、カードローンの利用者数です。

 

2017年10月の統計局のデータによれば、15歳から19歳の総人口は、599万5000人です。

 

この数字は、例えば、同時期の45歳から49歳(第2次ベビーブーム世代)の総人口945万7000人と比較すると、見劣りするところはあります。
さらに、日本人の総人口が、2016年から2017年の1年間で22万7千人減少しているなど、全体的に人口減少が拡大していることは否めません。

 

しかし、2022年に18歳~19歳になる人口が、上記の数字に含まれ、年齢条件の幅が拡がることを考えても、成人年齢引き下げによって、それだけカードローンへの申し込みが増えることは間違いないでしょう。

 

親の同意なしにお金の借り入れができるようになる!

現行法においても、実際には、20歳未満の人が金融機関からお金を借りることができる方法はあります。

 

その代表的なものが、「学生ローン」です。
ただ、「学生ローン」の場合、そのほとんどが融資上限は10万円~50万円あたりと低く設定され、さらに、親の同意が必要になるローン商品がほとんどです。

 

18歳、19歳といった未成年が、どうしてもカードローンを利用してお金を借りたいということになれば、親の承諾を得て、上記のような低年齢層に特化したローン商品を探すか、20歳まで待つかという選択しかありませんでした。

 

しかも、子供に返済できなければ、親が責任を取って返済をしなければならないという状況の中で、はじめから子供が借金をすることに賛成する親はそう多くないはずです。
お金を借りる理由をあれこれ詮索され、ぐちぐちと文句を言われるのを分かっていて、承諾のサインをもらうのは、考えただけでもストレスフルなことです。

 

このように、未成年者の場合、「保護者の承諾を得なければならない」ということが、高いハードルになって、結局、申し込みさえできなかったという人も多いのではないかと思います。

 

それが、民法が改正され、成人年齢が引き下げられることで18歳から、親の同意なしにカードローンの契約ができることになりますので、「親への相談」という重い足枷が取れることで、自分の意志で借入の手続きが、より気軽にできるようになるのです。

 

現在でも、20歳を過ぎていても「学生」である場合には、保護者の承諾が必要というローン商品も中にはありますので、成人年齢が下がったとしても、そのようなローンが出てくる可能性はあります。

 

ただし、18歳でも親の同意書を得ることなく自分の希望だけで申し込みができるということから「お金を借りる」ということへのハードルが下がることは間違いないでしょう。

 

成人年齢が引き下げられたからって、簡単にお金が借りられるわけではない!?

成人年齢引き下げで、「18歳になったら、親に内緒でお金を借りて欲しいものが買える!」そう思う人もいるかもしれません。

 

上記でも見てきたように、改正民法が施行されれば、カードローンの年齢制限を現在の20歳から18歳に下げる金融機関は、確実に増えるはずです。

 

利用条件の年齢制限が「満18歳以上」になっていれば、高校生でもカードローンの申し込みができるようになるのです。

 

しかし、申し込みをするにあたっては、次のことに注意しておく必要があるでしょう。
確かに、条件を満たしていれば、カードローンの申し込みをすることができます。
ただし、「申し込みができる」ということと、「借り入れができる」ということは、同義ではありません。

 

このように期待をさせておいて、ガッカリさせてしまうかもしれませんが、利用条件が20歳から18歳に下げられたとしても、18歳の申込者だけ特別待遇になるわけでも、審査が緩くなるわけではないということは把握しておくべきです。

 

貸し手の立場で考えると?審査通過のポイントは、何といっても返済能力!?

当たり前のことですが、カードローンには、必ず審査があります。

 

一般的に、カードローン審査でチェックされるのは、申込条件はきちんとクリアできているかという点はもちろんのこと、年収や収入の安定性、返済能力、雇用形態や勤務先、勤続年数、さらに、それまでの取引の中で金融事故はないか、希望借入金額は多すぎないか?といったところです。

 

そして、これらについて、貸し手側が定める一定の条件をクリアすることができなければ、お金を借りることができないのは、どの年代でも変わりはありません。

 

ただ、上記に挙げた審査でチェックされる項目を見ていただけると分かるように、18歳という年齢には、不利な部分が多いことに気づくでしょう。

 

例えば、18歳人口の中で、どのくらいの数の人が、借りたお金をきちんと返すことができる立場にあるのか?を平成29年度の進路先の調査で見てみると、次のようになります。

 

大学・短大進学者54.8%、就職者17.7%、専門学校進学者16.2%、一時的に仕事に就いた人、進学も就職もしていない人5.4%。

 

このデータから分かることは、就職者の17.7%以外の人々は、学生であるか、アルバイトをしているか、何もしていないかのいずれかであるということです。

 

このデータを貸し手側の立場で見て、自分の責任でお金が返済できそうだと感じるのは、やはり、定職についている就職者でしょう。
しかし、その就職者は、18歳人口の中にたった17.7%と極めて低いことが分かります。

 

金融機関によっては、安定した収入があれば、正社員、あるいはアルバイトやパートなどの別は問わないと記載があるところもあります。
ですから、貸し付けが「就職者」に限られるという訳ではありませんが、金融機関側が安心して貸し付けを行うことができる相手は、無論定職者であることに間違いはないでしょう。

 

18歳で、カードローン利用!まとまった金額は期待できない!?

ただ、例え、その17.7%の定職者が、審査を通過したとしても、はじめからまとまった金額を借り入れするのは、難しいと考えておいた方が良いでしょう。

 

例えば、高校卒業後すぐに就職した場合の初任給の平均は、男性で平均16万4千円、女性で約15万8千円となり、これら全体の平均は約16万円です。

 

この金額から、消費者金融カードローンの場合の総量規制に則って、年収の3分の1を超えずに借りることができる金額を考えてみると、最高でも60万くらいと考えるべきでしょう。

 

また、学生の中にも、高校生の頃から、アルバイトを続けていて、継続して安定した収入を得ているという人もいるでしょう。
どの程度アルバイトをしているかにもよりますが、特に学生では、定職についている18歳層よりも、限度額は低くなると考えるのが妥当です。

 

例えば、月に10万円の収入があるとするなら、40万円以内、月々5万円程の収入なら、20万円以内くらいになるでしょう。

 

このように、安定した収入を長期間得ているという人物を18歳の中から探し出すことは、極めて難しいものなのです。

 

ですから、こういった点からも、18歳でカードローンの契約ができたとしても、大きな額は期待しない方が良いですし、返済のことを考えても、少額から借りる方が得策です。

 

成人年齢引き下げで、懸念されることとは?

 

「契約」による責任

成人年齢引き下げについては、検討準備の段階から、法律上の成人年齢と社会的・精神的な成熟度と自立年齢が、あまりにもかけ離れているのでは?といった意見を中心に、各種契約年齢、親権者としての適性など改正にあたって、賛成派・反対派によって、さまざまな意見が交わされてきました。

 

そこで、ここでは、改正民法施行にあたって、金銭的な契約上で、最も懸念されている事は何なのか?具体的には、施行後に何がどのように変わることが心配され、論点となっているのかについて見ていきます。

 

まず、成人年齢引き下げで懸念される事柄は、悪徳業者による消費者被害の拡大や多重債務者の増加など、「契約」による重責負担についてです。

 

これらは、果たして、法律が変わったからと言って、これまで未成年の枠に入れられてきた若者たちが、急に法的行為の責任を負うことができるのか?トラブルに巻き込まれないか?問題発生率が上がるのではないか?そういったことが焦点となっています。

 

「未成年者取消権」による保護の消失

特に、大きな議論となっているのは、改正民法施行後に新成人が取り消される「未成年者取消権」による保護についてです。

 

現在の日本の民法4条には、「20歳をもって成年とする」と明記され、同5条1項に「未成年者が、法律上効果のある行為を行う場合には、親権者や後見人といった法定代理人の同意を得ていなければならない」と定められています。

 

さらに、同条の2項には、「上記規定に違反した契約は、取り消すことができる」として、このように、契約等の法的行為における権限が制限を受けていることによって、未成年者は、契約取引上、何か問題が発生した場合に保護を受けることができるという決まりがあるのです。

 

これらを簡単にまとめると、現行の成人年齢20歳未満の者が、親(法定代理人)の了解なしに、単独で取り交わした契約には、効力がなく、さらに、未成年の契約者側が「契約破棄したい!」ということになれば、未成年者が不利益を被らないよう貸付側は、その契約を取り消さなければならないということなのです。

 

ちなみに、この未成年者が、法定代理人の同意なしに行った契約を何か問題が生じた時に取り消すことができる権利を「未成年者取消権」と言います。

 

未成年者は、社会的な経験が不十分な上、単独で契約を締結できるほどの判断能力を有してはいないという未成年者保護の観点から定められているこの法律は、未成年者にとって不利な契約締結や悪徳業者とのトラブルを未然に防ぎ、問題発生の抑止力になっていることは、言うまでもないでしょう。

 

今回の成人年齢引き下げで、改正民法施行後に成人となった18歳、19歳の若者たちが、十分に注意しておかなければならないのが、まさに、この保護が無くなるという点なのです。

 

高校生でも知っておきたいお金の借り入れに関する注意事項

同じ年齢でも、社会経験や適応能力、物事を判断する力には、バラつきが出るものです。
しかし、成人年齢が下がり18歳から大人として扱われることが一度、民法で定められ施行されたら、その法律に従わなければならず、保護が無くなってしまったことを「知らなかった」では、済まされないということを十分に理解しておく必要があります。

 

どのような被害に注意するべきか?

実際に、国民生活センターに寄せられる声について、調べてみると、満20歳の誕生日を境に、消費者トラブルについての相談が急増することが分かります。

 

ちなみに、消費者被害の相談件数(2016年データ)について、20歳未満と20歳以上を比較してみると、20歳を境に約3倍以上にトラブル相談の数が上がることが分かります。
この数字は、2007年から10年間を比較しても約3倍から5倍以上と、増えることはあっても減ることはありません。

 

さらに、20歳から22歳層の相談件数で多いものは、デジタルコンテンツ、アダルト情報サイト、出会い系サイト、フリーローン・サラ金、エステとなっていることからも、これらの契約が、現行成人として認められた人々にとってトラブルに陥りやすく、企業からのアプローチも、実際に利用しているのも多い分野であることが分かります。

 

このように、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられることによって、これらと同様の被害が18歳、19歳人口へと下がってくることが考えられます。

 

ですから、被害を未然に防ぐためにも、過去に20歳の誕生日を迎えた人たちがどのような被害に遭い、どんな問題で悩んでいたのか?についてまず知っておくということが大切です。

 

さらに、契約後支払いをした金額を見てみると、18歳~19歳では、12万円から15万円となっているのに対して、20歳~22歳になると、17万円から29万円と高額になることからも、成人年齢引き下げでトラブルに巻き込まれた時の被害の大きさについても把握しておく必要があるでしょう。

 

「未成年者取消権」は使えないから!知っておきたい「消費者契約法」!

また、新しい民法が施行されれば、18歳、19歳が結んだ契約には「未成年者取消権」は、使うことができなくなってしまうのは、上で説明した通りです。

 

ただ、近年、若者をターゲットにした悪徳商法が横行していることから、学生や社会的経験が乏しい若者世代をトラブルから守るために、「消費者契約法」の一部が改正されることになったのです。

 

これによって、就活学生の不安を煽りセミナー受講の契約を取り付ける「就活商法」や恋愛感情を利用した「デート商法」など、特に若者世代の被害拡大に歯止めをかけるため、正しい判断ができない状態において交わした契約、事業者の説明や行為によって消費者が困惑するような契約については、契約の取り消しができるようになりました。

 

ただ、上記でも挙げたように金銭的なトラブルに多いカードローンやクレジットカードについての対策はなされていないのが、現状です。

 

今後、改正民法施行に向けて、トラブルを未然に防ぐために貸金業法等を一部改正する案などが出るかもしれませんが、現行のままであれば、やはり、消費者側の若者が、借り入れのための知識をしっかり学ぶ必要があるでしょう。

 

お金に関する契約で注意しておきたいこと

ある大学が行った学生によるネットを利用した契約やショッピングに関する調査によれば、これまでに苦い経験がある、トラブルがあったという学生は、大きな被害ではなかったが失敗してしまったという回答を含めると全体の70%近くにまで及びます。

 

調査対象となった学生は、取り立てて何かに特化しているという訳ではなく、一般の大学生ですので、日本全体の20歳前後の学生を対象としたとしても、さほど大きな差が出るとは考えにくいでしょう。

 

しかし、驚くべきは、このトラブル経験の多さです。

 

そして、このトラブルにどのように対処したか?という質問に対しては、大きな被害ではなかったので放っておいたといった回答が、半数以上、相手企業に対して保障等の問い合わせを行ったというものが20%強、専門家に相談したもの、あるいは、家族に相談したという回答は、それぞれ数%と少なく、対処方法やそれらに対する知識不足も露呈する結果となっています。

 

このような状態のまま、民法が改正され、成人年齢が下がったとするなら、多くの新成人がトラブルに巻き込まれてしまう可能性が高いと予想できるでしょう。

 

18歳と言えば、高校3年生、あるいは高校を卒業し、就職や進学などで親元を離れ、初めて一人で生活をするという人が多くなる世代です。

 

親元で暮らしていた時には、何でもすぐに相談できる環境にあったものが、いったん離れてしまうと、例えば、「ほんの少しお金が足りない!」という時でも、連絡をして入金してもらって…と、離れていることで面倒なことも多くなるものです。

 

まだ、初任給さえもらっていない就職したての頃や進学したばかりの頃は、お金が必要なことも多く、早いタイミングでお金を必要とする場面も出てきます。

 

そんな時、家族に連絡をしている時間がなく、カードローンに頼る人も出てくるでしょう。

 

また、消費生活センターに寄せられた相談を見てみると、例えば、学生でお金がないからとエステや教材、セミナー等の商品を断ろうとした時に、「成人しているんだから、カードローンで借りて支払いができますよ。」と契約に関する知識が乏しいのをいいことに、無理に契約させられてしまったといった事例も多くあるようですので、注意しておかなければなりません。

 

確かに、カードローンは、申し込みをして審査に通ることができれば、お金を借りることができます。
さらに、成人年齢の引き下げが決定してから、国は、急ピッチで、「成人になるということは、どういうことか」の教育を推し進めています。

 

ただ、「教育」によって知識を得ることは、大変重要なことではありますが、金銭的なトラブルに巻き込まれないためには、成人となった人たち自身が、実際にそのような場面に遭遇した時に、その知識をきちんと理解し、自分で判断し、しっかりと対処していくことができるかにかかっています。

 

ここでは、トラブルに巻き込まれないために、お金を借りる前に、最低限考えておきたいカードローン契約時の心構えをまとめておきます。

 

契約責任は、「親」ではなく「自分」!

「困ったら、誰かが助けてくれる」「親に頼んで契約破棄してもらおう!」といった甘い考えは、捨てなければなりません。

 

18歳でも、成人である限り、契約責任は親ではなく本人にありますので、あまり条件が良いローン商品でなかったと、後で気が付いても「やっぱりやめます」で、契約が白紙になるなど簡単に事は運ばないと理解しておく必要があります。

 

さらに、先にも挙げたように、成人になれば「未成年者取消権」などの「保護」はありませんので、契約の責任は、自分にあるということをしっかりと考えた上で利用するようにしましょう。

 

カードローンに利息は付きもの!

当たり前のことなのに、忘れてしまいがちなのが、お金を借りたら、その利用料として、利息を払わなければならないということです。

 

家族や友人にお金を借りた時には、借りた金額だけを返せばいいかもしれませんが、金融機関から、お金を借りたら、借りた金額や何日間借りるかによって、その分の利息が借りたお金に上乗せされるのです。

 

大手消費者金融によく見られるような1カ月間は、無利息でカードローンを利用できるといったキャンペーンを行っている場合は、例外として、金融機関からお金を借りたら、必ず「利息」が付き、返済時には、借りた分以上のお金を返さなければならないということは頭に入れておく必要があるでしょう。

 

「借金」であることを自覚する!

カードローンやキャッシングと聞くと、横文字でなんだか簡単にお金が自分のものになるような錯覚を起こしてしまいそうです。

 

しかし、借りたお金は、「借金」だということは、きちんと把握しておかなければなりません。

 

契約条件は、しっかりしているか?

契約をする前に、必ず相手がどのような業者であるか?確かめることをおすすめします。
大手消費者金融であれば、心配する必要はありませんが、連絡先は携帯番号しか掲載されていない、あまりに条件が良すぎるといった企業については、よく調べてから契約した方が良いでしょう。

 

特に、18歳くらいの若者に、はじめから100万円近い金額を貸付けしてくれる金融機関は、危険ですので、関わらないのが得策です。

 

のちのち、痛い目に会わないためにも、はじめから、きちんとした企業と取引ができるようにしっかりと下調べをしておきましょう。

 

借金をしてまで必要なものなのか?

カードローン利用が目的なのではなく、別の何かの購入契約のために利用せざるを得ない状況に立たされてしまうということは、特に若年層に多く見られるようです。

 

例えば、軽い気持ちで、とある体験に行ったら「今日だけ低価格」「今ならキャンペーン中で安い」からと購入を勧められ、資金が無いから帰って考えると断ると「カードローンで支払えばお得なうちに購入できる」と資金を借り入れるように煽られたという経験を持つ若者は多いようですので、そのような時にこそ焦らずよく考えることです。

 

「今だけ低価格」であっても、カードローンでお金を借りるとなれば、利息を支払わなければならないわけですので、借りるとしても、欲しい商品が、正規価格からどの程度安くなっているのか?
さらに、その価格は、カードローンで利息を支払っても、まだ、安いと言えるのか?についても考えるべきです。

 

ローンを組んで購入したところで、カードローンの総返済額が、購入金額を上回ってしまっては、「今」購入するメリットは薄れます。

 

このように冷静になって、本当に借金をしてまで手に入れたいものなのか?を頭を冷やしてよく考えることです。

 

人は「欲しい」という欲求が高まると、正しい判断ができなくなってしまうのもです。
「今、どうしても手に入れたい!」と思った時にこそ、どうするべきか、一旦課題を持ち帰って、考えてみるという作業が重要です。

 

「どうにかなる!」でお金は借りない!

そして、欲しいものを前に、正しい判断ができないときに限って、「どうにかなる!」と気持ちが大きくなってしまうこともあります。

 

しかし、借金は、「どうにかなる!」で借り入れしてしまうと、ほとんどの場合、自分で自分の首を絞めることになります。

 

自分の返済能力も考えずに、無計画にお金を借りれば、その後の自分の生活を脅かすことは間違いありません。
自分が月々どの程度なら返済できるのか、計算もできないようならば、借り入れはしない方が身のためです。

 

そして、もし、トラブルに見舞われてしまったら、1人で判断するのではなく、以下のような公的な機関に相談するようにしてください。
「国民生活センター(消費生活センター)」「金融庁」「市区町村自治体」「日本貸金業協会」「 日本司法支援センター 法テラス」「日本弁護士連合会・日本司法書士会連合会」「日本クレジットカウンセリング協会」

 

トラブルは、早めに相談することです。
独りで悩まずに、上記のような公的な機関に相談することで、より良い解決方法を見つけることができるはずです。

 

最後に

民法改正による成人年齢の引き下げから、カードローンの利用について見てみると、利用する側にとっては、利便性が上がり、消費者の消費活動が活発になることで、経済が潤うなど、大きなメリットがあるようです。

 

しかし、便利になる一方で、カードローンは、「必ず返済しなければならない借金」であるという考え方をこれから「成人」の枠に入る人たちがよく理解しなければなりません。

 

カードローンのデメリットも十分に理解した上で利用すること、そして、それらを身近な大人や教育の現場できちんと教えられるかどうかが、2022年の施行までに重要な課題となってくるでしょう。

 

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田辺華子(キャッシング大全専属ライター)

 


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プロミス
※ 原則電話による在籍確認なし
※ 最短3分融資は可能ですが、お申し込み時間や審査によりご希望に添えない場合があります。

アコム
※ 最短20分融資は可能ですが、お申し込み時間や審査によりご希望に?沿えない場合がございます。
※ 原則、在籍確認なし(原則、電話での確認はせずに書面やご申告内容での確認を実施)

 

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